ヤマラッキョウ
地下の鱗茎は狭卵形で、長さ2 〜 3 cmになり、外皮は灰白色で、ときに古い外皮は繊維状に残る。葉は、春に3-5個が根出状に出て、長さ20 〜 50 cm、幅2 〜 5 mmになり、広線形で、断面は鈍三角形で中は中空、下部は葉鞘となる。 花茎は高さ30 〜 60 cmになり、茎先に多数の花が束生し、径3 〜 4 cmの球状の散形花序になる。花柄は長さ1 〜 1.5 cmになり、同属のラッキョウ A. chinense と比べると花柄は短く、花序は混み合ってみえる。花被片は離生し、6個あって平開せず、紅紫色をし、楕円形から長楕円形で長さ5 〜 6 mmになる。雄蕊は6個あり、花糸は花より著しく長く突出し、花糸基部に歯牙はあるがラッキョウほど大きくはない。葯も紫色になる。花柱も細長く花から突き出る。子房は下位で3室あり、花後、倒心形の蒴果となる。蒴果は径5 mmになり、3稜あって胞背裂開し、種子は黒色になる。