ムラサキ(紫)
和名ムラサキの語源は、本種が群れて咲くことから「群ら咲き」であるとする説が一般的であるが、図鑑等には紫色の根が由来と説明するものもある。 日本の北海道・本州・四国・九州に分布し、比較的冷たい山地の草原に自生する。野生では自生地の環境悪化によって、自生のものは非常に少なく、絶滅危惧種になっている。しばしば、栽培もされている。半日陰の排水のよい土地を好む。 多年生の草本。根は太く、乾燥すると暗紫色になる。茎は直立し、草丈は30 - 80センチメートル (cm) ほどになり、上部は枝分かれする。葉とともに、斜め上向きに粗毛が多い。葉は互生し、葉柄は無く、葉身は披針形で先端と基部は細くなっており葉縁は全縁で、やや平行するように少数の葉脈がある。 花期は初夏から夏にかけて(6 - 8月)、茎先の葉腋についた葉状の苞葉の間に、5弁の小さな白い花が咲く。果実は灰白色で、4分果からなる。 近縁のセイヨウムラサキは繁殖力が強く、茎は枝分かれして花が小さいことで、ムラサキとは異なる。