ハルニレ
落葉広葉樹で、樹高は30メートル、直径は1メートルに達し、日本産のニレ属(Ulmus)樹木としては最大である。樹形は下枝が少なく比較的太い位置から幹を分岐させ、同科のケヤキ(Zelkova serrata、ニレ科ケヤキ属)によく似る。樹皮は灰色っぽい褐色、ケヤキやアキニレ(U. parvifolia)の樹皮が平滑なのに対し、本種は縦に深く裂ける。枝は左右にジグザグに伸び(仮軸分枝)、若枝には軟毛が生える。葉は表面に微毛が生え、ザラザラした触り心地、縁には明確な二重鋸歯を持ち、葉脈は1本の明確な主脈から側脈が左右に分岐する(羽状脈)。オヒョウに比べると葉柄も長く目立つ。果実は五角形に近い、大陸産の基変種は果実に毛を持つのに対し、本種は無毛だという。