ツバキカンザクラ(椿寒桜)
樹形 落葉性の小高木で、樹形は傘状。カラミザクラの系統を引く品種に多く見られる特徴であるが、樹幹から気根を生じる。 花 つぼみは紅色で、花は2月中旬から3月上旬にかけて開花する。花序は散形状で、通常は5花をつけるが、4-6花のこともある。5弁の一重咲きで、花径は2.5-3.0センチメートル。花色は強い紅色から紅紫色、または淡紅色。香りはないが、密集して花をつけ、蕾が次々とできて、かつ散りにくいため花期は長く、満開時には華麗な姿を楽しむことができる。花弁は5枚で、長さは約1.2センチメートル。形状は楕円形または卵形であり、花弁の先端には切れ込みが入る。花弁は内側に曲がり、花全体としてはやや盃状になるのが特徴である。 萼筒は無毛の盃状をしており、先端が開く。長さは約4ミリメートル。萼片は三角形で縁毛がある。苞は約1-2ミリメートルである。花柄は約7ミリメートル、小花柄は約6-10ミリメートルで、ともに少数の毛があるため、他のカンザクラ類の栽培品種と区別できる。 不稔性のため、果実はできない。 葉 葉は卵形または倒卵形で、長さ約10センチメートル、幅5.0-5.5センチメートルまで成長する。基部は円形、鋸歯は重鋸歯で、先端は鋭尖形。表は光沢のある暗緑色で、裏は淡緑色である。葉柄は5-8ミリメートルである。